待望の続編『ズートピア2』は、公開直後から「史上最もオマージュが多いディズニー映画」として大きな話題を呼んでいます。
その遊び心は背景のディテールからキャラクターのアクション、さらには音響効果に至るまで多岐にわたり、ファンによる徹底的な解析が続いています。
製作陣は本作には、過去のディズニー・ピクサー作品や、様々な映画、ポップカルチャーへの言及が**数百にも及ぶ**と公言しており、一度見ただけではそのごく一部しか気づくことができません。
今回の記事では、特に多くのファンが発見を求めているピーターパンやラプンツェル、アナ雪といった人気作品の隠れ要素について、現在判明している確度の高い情報を基に詳しく解説していきます。
これらの隠された要素を知ることは、映画の舞台であるズートピアという世界の奥深さを理解することにも繋がります。
次回の鑑賞時には、この記事をチェックし、ぜひあなた自身の目で、まだ見ぬ遊び心を探し出してみてください。
数百のオマージュの一つ!ピーターパンの正体は「フックの看板」
映画公開前から話題となっていた「ピーターパン」のオマージュですが、これは物語中盤、ジュディとニックが捜査のために訪れる「マーシュ・マーケット(湿地帯の市場)」で見つけることができます。
この市場は、オマージュが集中しているエリアの一つであり、画面の隅々まで情報が詰め込まれています。
ピーターパンへの言及は、市場の背景に映り込む店舗の看板の中に隠されています。
具体的には、「Hook’s Bait and Tackle(フックの釣具店)」という看板が掲げられており、これは『ピーター・パン』の宿敵であるフック船長を指していることに間違いありません。
キャラクターそのものではなく、その象徴的な名前を背景に忍ばせるという手法は、ズートピアシリーズの定番です。
実際、この看板の周囲には、『リトル・マーメイド』を連想させる「Ariel’s Grotto(アリエルの洞窟)」や、過去のディズニー作品に関連した「Mr. Toad’s(トード氏の店)」といった看板も確認されています。
これらのディテールは、ズートピアの世界にも人間界の文化が深く浸透していることを示すものであり、製作陣の緻密な世界構築を感じさせます。
次回の鑑賞時には、マーシュ・マーケットの背景看板群に一時停止をして、フック船長の名前を探してみてください。
ラプンツェルオマージュは「音響」まで再現されたフライパンアクション
『塔の上のラプンツェル』へのオマージュは、本作の中でも最も分かりやすく、かつ製作陣のこだわりが詰まった形で登場しています。
それは、ニックとジュディが新キャラクターのゲイリーと対峙するアクションシーンです。
ここでニックがとっさに手にした「フライパン」でゲイリーを気絶させる動作は、ラプンツェルがフリン・ライダーをフライパンで殴打したシーンの完全な再現であり、ファンにはたまらない演出です。
さらに注目すべきは、このシーンで使われている金属音の効果音が、『塔の上のラプンツェル』で使用されたものと**全く同じ音源**を使用している点です。
視覚的なパロディだけでなく、音響面でもオリジナルの要素を取り入れていることから、製作陣がこのシーンにかけた意図的なリスペクトの深さが伺えます。
また、前作に引き続き登場する海賊版DVDコーナー(デューク・ウィーゼルトンが販売)には、「Wrangled(ラングルド)」というタイトルが並んでいます。
これは「Tangled(ラプンツェルの原題)」をもじったもので、長い毛を持つ動物が描かれています。
レミーとアカデミー賞作品の異色コラボ!多重パロディの現場
『レミーのおいしいレストラン』のオマージュは、リトル・ローデンティアの高級レストランの厨房が見えるシーンで確認されます。
ライオンのシェフが料理を作る場面で、彼のコック帽が脱げた際、その下から小さなネズミが現れて指示を出しているという、レミーの物語を彷彿とさせるシチュエーションが登場します。
しかし、このシーンはさらに捻りが加えられています。
この「帽子の中に隠れていた黒幕」を暴くのがアライグマ(Raccoon)のキャラクターであることから、これは映画『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』に登場した「ラカクーニ(Raccacoonie)」というパロディネタへの、さらなるパロディ返しになっているのです。
ピクサー作品へのオマージュに見せかけて、別のアカデミー賞受賞作のネタも重ねてくるという、非常に高度な多重構造のギャグになっています。
レミーのようなネズミと、それを暴くアライグマの関係性に注目すると、製作陣のユーモアのセンスをより深く楽しむことができるでしょう。
このようなクロスオーバー的なジョークも、本作に隠された数百のオマージュの一角を占めています。
アナ雪をはじめとするディズニー作品の膨大な「海賊版」
『アナと雪の女王』の要素については、主にイタチのデューク・ウィーゼルトンが売っている海賊版DVDのラインナップに含まれています。
前作で確認された「Floatzen 2」からさらに時代が進み、今回は「Floatzen 12(フローツェン12)」のようなタイトルが確認されており、続編が作られ続ける人気シリーズであることを自虐的に表現しています。
この海賊版DVDのコーナーは、ディズニー作品のパロディが最も凝縮されている場所であり、アナ雪以外にも膨大な数の小ネタが見つかります。
例えば、『モアナと伝説の海』をもじったタイトルや、マーベル作品を意識したようなヒーローもの、『インディ・ジョーンズ』をパロディ化したものなど、数十種類のタイトルが並んでいます。
これらを全て把握するには、一時停止が必須となります。
また、映画全体に散りばめられた数百のオマージュの中には、キャラクターの声優による自己パロディも含まれており、特に『モアナ』の声優たちが別の動物役でカメオ出演しているなど、映像だけでなく音響面での遊び心も健在です。
背景の看板やポスター、キャラクターの私物など、ありとあらゆる場所に過去作への愛が詰まっており、それが本作の大きな魅力の一つとなっています。
まとめ:数百のオマージュが織りなすズートピア2の奥深い魅力
『ズートピア2』に隠された主要なオマージュについて解説してきました。
ファンが注目する「ピーターパン」の要素は、フック船長の名を冠した「Hook’s Bait and Tackle」の看板として確認されています。
また、ラプンツェルのフライパンアクションは音響まで再現され、レミーのシーンは他の作品との多重パロディになるなど、単なるカメオ出演を超えた深い作り込みがなされています。
製作陣が公言している通り、本作には数百にも及ぶオマージュが散りばめられており、今回紹介したものはそのほんの一部に過ぎません。
これらの隠し要素を探すことは、作品の世界観をより深く楽しむための鍵となります。
ぜひ次回の鑑賞では、ストーリーを追いながらも、背景のディテール、キャラクターの動き、そして音響の一つ一つにまで注意を払って、あなただけの未発見の要素を見つけ出してみてください。

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