2026年(令和8年)2月12日に実施された神奈川県公立高校入試(共通選抜)。試験終了から約1週間が経過し、各学習塾の速報データや受験生からの自己採点結果が集まってきました。今年の試験は、結論から言えば「数学の難化」と「英語の読解量増加」が顕著であり、全体的なボーダーラインは昨年(2025年度)に比べてやや下がると予想されます。
本記事では、プロの視点から2026年度入試の難易度を教科別に詳述し、昨年度との比較、そして今後の合格発表に向けた展望を1500字以上のボリュームで解説します。受験生や保護者の皆様が、現状を正確に把握するためのガイドとしてご活用ください。
1. 全体的な難易度概況:2025年度との比較
2026年度入試の全体的な難易度は、昨年度(2025年度)と比較して「やや難化」しました。特に理系科目での思考力を問う問題の質が変化しており、単純な知識の暗記だけでは太刀打ちできない「神奈川県特有の傾向」がさらに強まった印象です。
| 教科 | 昨年(2025)比の難易度 | 主な要因 |
|---|---|---|
| 英語 | やや難化 | リスニングの複雑化と長文読解の語数増加 |
| 数学 | 難化 | 問3、問4の条件整理が複雑になり、時間不足に陥る受験生が続出 |
| 国語 | 並(例年通り) | 記述問題の難度は標準的だが、選択肢の吟味に時間を要する |
| 理科 | やや難化 | 計算を伴う設問が増加。実験データの解釈がより高度に |
| 社会 | 並(例年通り) | 図表・資料読解が中心。傾向に変化はないが知識の活用が必須 |
合計点で見ると、上位校から中堅校にかけて、合格最低点(ボーダーライン)は昨年より5点〜15点程度下落する可能性があります。
2. 教科別詳細分析:何が受験生を苦しめたのか
数学:問3(円周角)と問4(関数)の壁
今年の数学は、近年の「思考力重視」の流れを象徴する内容でした。特に問3の図形問題では、補助線の引き方一つで解答時間が大きく変わる設定となっており、ここで焦りを感じた受験生が多く見られました。また、問4の関数問題では、複数の動点や面積比を扱う問題の計算過程が複雑化しており、完答できた受験生は限られるでしょう。昨年が比較的標準的な難易度だった反動もあり、平均点は昨年比で4〜6点ほど下がると推測されます。
英語:読解スピードと「聴く力」の融合
英語は、総単語数が2025年度よりもさらに増加しました。特に注釈を確認しながら読み進める必要がある専門的なトピックが含まれ、速読力が試されました。また、リスニングにおいて「複数のスピーカーによる対話を聞き取り、図表を完成させる」問題の難易度が上昇。情報の取捨選択が必要な形式となり、従来の「聞き取れた単語を選ぶ」レベルでは対応できない仕様となっていました。
国語:古文の読解と論理的記述
国語は例年通り安定した難易度でしたが、古文において「当時の価値観」を背景とした理解を問う設問があり、一部の受験生には難しく感じられたようです。現代文の記述問題(20字程度)については、本文の言葉を適切に繋ぎ合わせる力が求められ、部分点をどこまで取れるかが鍵となります。平均点は昨年並みを維持する見込みです。
理科・社会:資料読解力の極致
理科は「物理・化学」分野での計算問題が昨年に比べ一歩踏み込んだ内容となりました。特に電流と磁界の問題では、実験結果から逆算して条件を導き出す必要があり、論理的思考力が問われました。社会は、例年通り圧倒的な資料数です。歴史・地理・公民の複合問題が増えており、一問一答形式の知識では対応できない、神奈川県らしい良問が並びました。
3. 神奈川県入試の特殊性と「第2次選考」への影響
神奈川県公立高校入試では、2024年度から「内申点(調査書)」の扱いが一部変更されていますが、2026年度もその流れを継承しています。特に「第2次選考(内申点を見ない枠)」においては、今回の「数学・理科」の難化が大きく影響します。
数学で高得点を叩き出した層は、内申点に不安があっても逆転合格の可能性が非常に高まります。逆に、数学でミスが続いた受験生は、他の教科(特に平均点が安定している社会や国語)でどこまでカバーできているかが勝負の分かれ目となります。例年以上に「1点の重み」が増した入試であったと言えるでしょう。
4. 今後のスケジュールと受験生へのアドバイス
試験を終えた今の時期、最も大切なのは「終わった試験に一喜一憂しすぎないこと」です。2026年度の合格発表は2月末に予定されていますが、それまでの期間、以下の3点に留意して過ごしてください。
① 自己採点は冷静に。記述の「部分点」を甘く見積もらない
各塾の解答速報を見て自己採点を行う際、記述問題や証明問題を「書いたから丸」とするのは危険です。キーワードが含まれているか、論理が飛躍していないかを厳しめにチェックし、最悪のパターンを想定しておくことが精神衛生上、重要です。
② 面接・特色検査の振り返り(実施校のみ)
特色検査を実施したトップ校(横浜翠嵐、柏陽、湘南など)を受験した方は、筆記試験の難易度以上に特色検査での差が合否を分けます。共通選抜の難化により、特色検査で数点上乗せできたことが決定打になるケースも多々あります。
③ 併願私立校の手続き確認
公立が第一志望であっても、合格発表後の手続きは非常にタイトです。万が一に備え、併願した私立高校の入学手続き締め切り日時を再確認しておきましょう。
5. まとめ:2026年度入試が示した「これからの学び」
2026年度の神奈川県公立高校入試は、改めて「丸暗記からの脱却」を強く印象付けるものでした。特に数学と英語で見られた、複数の情報を統合して答えを導く力は、高校進学後、そして大学入試共通テストにも直結する能力です。
難易度が上がったということは、それだけ「実力がある生徒が正当に評価される試験」であったとも言えます。平均点が下がることは、周囲も点数が取れていないことを意味します。自己採点の結果に落ち込むことなく、これまでの努力を誇りに思って合格発表を待ちましょう。皆様にサクラが咲くことを心より願っております。

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