人気VTuberグループ「ホロライブ」に所属する赤井はあとさんは、明るく勢いのある配信スタイルで知られており、普段から冗談やハイテンションなトークが多いことでファンに親しまれてきました。
ところがある配信をきっかけに、海外の一部視聴者を中心とした批判が一気に高まり、アーカイブも見られない状態となったことで「何があったのか分からない」という人が続出しました。
特に問題視されたのは、配信画面で表示された国・地域の視聴者データに関する言及で、そこに「台湾」が含まれていたことが火種となりました。
配信者本人としては、チャンネルの伸びや海外人気を紹介する雑談の一部という感覚だったとみられますが、政治的・外交的に敏感なテーマに接触してしまったことで、外部の受け取り方が大きく変わってしまったのです。
ここでは、当時の流れをできるだけ時系列で整理し、なぜ炎上に発展したのか、冗談で済まなかった理由はどこにあったのかを解説していきます。
発端は「視聴者データの紹介」から始まった
炎上のきっかけになった配信では、赤井はあとさんが自身のチャンネルを見ている視聴者がどの国・地域から見ているのかを紹介していました。
YouTubeの配信者にとって、国別・地域別の視聴者分布を話題にすることは珍しいことではなく、「意外と海外から見られている」「日本語なのにこの国の人がいる」など、軽いネタとして扱われることが多いものです。
ところがそのときに画面に表示された一覧の中に「台湾」と表示されており、赤井はあとさんがそれをそのまま読み上げた形になりました。
日本国内では視聴データをそのまま読むことは問題になりにくいのですが、中国本土圏を含む一部の地域では、台湾をどのように表記・呼称するかが非常にセンシティブな話題であり、国として扱ったように見える表現は強い反発を招きます。
このため、赤井はあとさん自身に政治的な意図がなかったとしても、「台湾を国として紹介した」とみなされ、瞬間的に批判のボリュームが上がってしまいました。
その後、この配信のアーカイブが見られなくなったことで、当時のニュアンスを直接確かめることができず、噂や切り抜き、外部プラットフォーム上でのコメントが先行してしまうという状況になりました。
なぜここまで大きな炎上になったのか
今回の一件が拡大した背景には、発言そのものよりも「配信が国際的になっていた」という文脈があります。
ホロライブのように日本発でありながら海外でも人気を得ているグループの場合、日本人向けの雑談感覚で話したことが、そのまま各国の価値観や政治観にぶつかることがあります。
とくに台湾に関しては、中国本土の視聴者や中国プラットフォームの運営方針において、表記や扱い方が厳密に見られることが多く、少しでも線を踏み越えたと見なされると、瞬時に「政治的な発言だ」と受け止められます。
赤井はあとさんの配信は元々テンションが高く、ノリや勢いで話す場面も多いため、日本のファンからすれば「いつもの調子」「ちょっとした話題紹介」に見えたはずです。
しかし視聴者全体が国際化したことで、発言の一部だけが切り取られ、真面目な政治的主張と同列に並べられてしまいました。
さらに、同時期に似た形で地域に関する話題に触れたタレントがいたこともあり、「特定地域に対する配慮が足りないのではないか」という批判が、事務所やグループ全体へ向かいやすい空気になっていました。
こうして、本人の意図よりも「問題が起きやすいテーマを口にした」という事実がひとり歩きし、結果的に大きな炎上として記憶されるようになったのです。
冗談のつもりだったのか、それとも真面目な発言だったのか
質問にもあるように「冗談気味に言っていた感じではなかったのか」という点は、多くのファンが一番気になっているところだと思われます。
実際のところ、当時の配信スタイルや赤井はあとさんの普段のキャラクターを踏まえると、政治や外交について主張する目的で話していたとは考えにくく、むしろ「視聴者が世界中にいるのすごいね」「海外ファンありがたいね」という軽い流れの中で出た話題だったとみるのが自然です。
ただし、配信でのテンションがいつも高めであるがゆえに、その場その場で出した言葉が少し強く聞こえたり、データの読み上げがはっきりしていたりすると、外から見ると「冗談かどうかが判別しづらい」状態になります。
さらにアーカイブが非公開・削除になってしまうと、表情や前後の文脈、トーンを後から確認することができません。
この「トーンを確認できない」という点が、冗談だったのか真剣だったのかの判断をより難しくさせ、結果的に「深刻なことを言ったに違いない」という解釈ばかりが残ってしまいました。
ライブ配信は本来、前後の空気や視聴者とのやりとりで冗談が伝わる形式ですが、その材料が消えたために、好意的に受け取る根拠だけが失われてしまったとも言えます。
事務所の対応とファンコミュニティへの影響
この種の国・地域に関するトラブルが起きた場合、所属事務所は比較的早い段階で「関係各位への配慮が欠けていた」「意図して政治的見解を述べたわけではない」といった趣旨の説明を出すことが多くなっています。
これは、タレント本人を守ると同時に、配信される国・地域との摩擦を最小限に抑えるための対応です。
しかし、事務所が公式にコメントを出すと、今度は一部の日本国内ファンから「そこまで謝ることなのか」「政治問題として扱いすぎではないか」という逆方向の反応が出ます。
赤井はあとさんに関しても、海外向けの反発と国内ファンの擁護が真っ二つに割れ、「本人は悪くない派」と「国際配信だからもっと気をつけるべき派」が長く対立する形になりました。
また、アーカイブが見られないことで、後からファンになった人たちが状況を把握できず、「昔なにかやらかしたらしい」というあいまいな印象だけが残る結果にもつながりました。
これにより、コミュニティ内での話題が過去の憶測に引きずられることが増え、本人の新しい活動よりも「以前の炎上の人」というラベルが先に思い出されてしまう場面が出てきたのです。
アーカイブが消えたことで起きた情報のねじれ
今回の質問のように「アーカイブがないから確認できない」「当時の空気がわからない」という状態は、炎上のあとによく起こる二次的な問題です。
アーカイブが残っていれば「この言い方なら確かに誤解される」「ここは完全に冗談だ」と視聴者自身で判断ができますが、非公開になってしまうと、残っているのは切り抜き・スクショ・海外掲示板でのやりとりといった部分的な情報だけになります。
部分的な情報は、見る人の立場によって解釈が大きく変わります。
とくに地域や政治に関わる話題では、どの言語で、どのコミュニティで、どの翻訳で流通したかによって「どのくらい悪く聞こえたか」が変動します。
結果として、「実際には軽いトーンで読んだだけ」という最初の事実よりも、「政治的な線を踏んだらしい」「特定地域を国扱いしたらしい」というセンシティブな要素のほうが強く記憶されてしまいました。
このねじれを解消するには、当時の全体像を知っているファンの説明や、事務所の発表を複合的に見て判断するしかありませんが、ネット上ではセンシティブな部分だけが長く残りやすく、それが今でも「なんとなく分かるけど詳しくは知らない」というモヤモヤにつながっています。
まとめ:意図は軽くても、テーマが重いと炎上する
今回の赤井はあとさんの炎上は、本人が強い主張をしたからというよりも、「普段の配信のノリでしゃべったことが、グローバルな視聴者の価値観とぶつかった」という構図で理解するのがいちばん納得しやすいでしょう。
本人のキャラクターやトーンから見て、政治的な発言をしようとしたとは考えにくく、むしろ海外人気を喜ぶ雑談に近い内容だったとみるのが自然です。
しかし、台湾のように国・地域の扱いが慎重に見られるテーマは、冗談であっても、その場の空気が伝わらない形で広まると一気に「不適切な発言」とラベリングされてしまいます。
さらに、アーカイブが消えたことでトーンを検証する手段が失われ、後世のファンには「はあとが何か言って炎上したらしい」という曖昧な記憶だけが残りました。
これから同じような場面を避けるためには、配信者側が国名・地域名に触れるときは説明の仕方を少し丁寧にすること、事務所が状況を公開する際にはできるだけ文脈を添えること、視聴者側も「一部分だけを見て決めつけない」ことが求められます。
そうすることで、せっかくの楽しい雑談が不要な対立に変わってしまうことを防げるはずです。
 
	
	
	
	
	
	
	
	
	
	
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