2025年のワールドシリーズはロサンゼルス・ドジャースとトロント・ブルージェイズが3勝3敗で最終第7戦にもつれ込み、すべてがこの1試合で決まる状況になりました。
第6戦でドジャースが勝利したことで流れは一度ロサンゼルス側に傾きましたが、試合会場はカナダ・トロントのロジャースセンターで行われるため、ブルージェイズにも地の利があります。 [oai_citation:0‡Reuters](https://www.reuters.com/sports/dodgers-force-game-seven-world-series-with-win-over-blue-jays-2025-11-01/?utm_source=chatgpt.com)
最大の注目点は「誰が先発マウンドに立つのか」です。
ブルージェイズ側はベテラン右腕マックス・シャーザーが登板予定であることが報じられており、この一点で起用方針はかなり明確です。 [oai_citation:1‡AP News](https://apnews.com/article/8faf88227dfce076aa485ba0d7ec7c30?utm_source=chatgpt.com)
一方のドジャースは、本来ならエース級を持ってきたい場面ですが、直前の第6戦で山本由伸をつぎ込んだこと、抑え的にタイラー・グラスノーを使ったことなどから「誰を第7戦の頭に置くか」が流動的になっています。ここで名前が挙がっているのが二刀流スターの大谷翔平で、オープナー的な短い先発、もしくは2~3回だけを任せる形での起用が現実味を帯びています。 [oai_citation:2‡AP News](https://apnews.com/article/ae1fc36111bd8c0c3e3412294b3f45ee?utm_source=chatgpt.com)
本記事では、両軍の投手起用の考え方、過去の起用との違い、そして「なぜこの投手なのか」を順を追って解説します。
ブルージェイズはシャーザーで勝ちに行く明快なプラン
まずトロント側から見ていきます。
ブルージェイズが第7戦の先発にマックス・シャーザーを送り込むという報道が出たことで、彼らの方針は非常にシンプルになりました。 [oai_citation:3‡AP News](https://apnews.com/article/8faf88227dfce076aa485ba0d7ec7c30?utm_source=chatgpt.com)
シャーザーは今季のレギュラーシーズンでは成績が安定しない時期もあり、シーズン防御率もエリートクラスというほどではありませんでしたが、短期決戦になると準備力と試合の作り方で信頼できるタイプです。
何より、彼は2019年ナショナルズ時代にアストロズとのワールドシリーズ第7戦を経験しており、「勝てば優勝」という極限の舞台で先発したことがある投手です。
この“勝ち方を知っている”というポイントは、まだワールドシリーズ優勝から遠ざかっていたブルージェイズにとって非常に大きいといえます。
今回のシリーズはブルージェイズにとって初の第7戦であり、チームとしては雰囲気に飲まれるリスクがありますが、シャーザーであれば試合序盤でいきなり自滅する可能性は低く、仮に球威が落ちてきても強心臓で踏みとどまれるため、ベンチとしても裏を張らずに済みます。 [oai_citation:4‡AP News](https://apnews.com/article/8faf88227dfce076aa485ba0d7ec7c30?utm_source=chatgpt.com)
さらに、トロントにはビッグゲームに強いブルペンが待機しており、5回前後でシャーザーを交代させて継投に移ることも視野に入れています。
つまり「シャーザーで試合を壊さず中盤まで持っていく→中継ぎに勝負を渡す」という最も教科書的な第7戦プランを採用しているわけです。
この明快さは、相手が投手のやりくりに悩んでいるときほど光ります。
ドジャースは大谷翔平を軸に“総動員型”で来る可能性が高い
一方のドジャースは、第6戦で山本由伸を6回まで引っ張り、終盤はグラスノーを投入して試合を締めたことで、第7戦に回せる計算済みの先発がほぼいなくなっている状況です。 [oai_citation:5‡Reuters](https://www.reuters.com/sports/dodgers-force-game-seven-world-series-with-win-over-blue-jays-2025-11-01/?utm_source=chatgpt.com)
このためデーブ・ロバーツ監督は「ほぼ全員が候補」「グラスノーを連投させるかもしれない」と発言しつつ、その中で大谷翔平の名前をはっきり挙げています。 [oai_citation:6‡AP News](https://apnews.com/article/ae1fc36111bd8c0c3e3412294b3f45ee?utm_source=chatgpt.com)
報道各社でも「ドジャースは大谷を先発させる方向で準備している」「ただしイニングは長くない見込み」というトーンが揃っており、ドジャースがいわゆる“ブルベンデー寄りの第7戦”をやろうとしているのが分かります。 [oai_citation:7‡CBS Sports](https://www.cbssports.com/mlb/news/dodgers-world-series-game-7-pitching-plans-shohei-ohtani-tyler-glasnow-blake-snell/?utm_source=chatgpt.com)
大谷は第4戦で既に93球を投げており、通常の中3~4日での先発と比べると余裕が大きくはありません。 [oai_citation:8‡AP News](https://apnews.com/article/ae1fc36111bd8c0c3e3412294b3f45ee?utm_source=chatgpt.com)
そのため「最初の2~3回を大谷でゼロに抑える」「そのあとは右左を見ながらブルペンの層で刻んでいく」という起用が現実的です。
ドジャースにはバックエンドで使えるリリーフだけでなく、先発経験のある投手を短く切ることもできるため、序盤でリードさえ取ってしまえばリレーで盤面をロックできる計算があります。
また、指名打者としても出場できる大谷を先発させられると、打線の厚みを落とさずに試合を運べるというメリットもあります。
これはルール上、大谷が投手を降りても打席に残れるという現行制度を最大限に使うものであり、短期決戦でこそ差が出る運用です。 [oai_citation:9‡AP News](https://apnews.com/article/ae1fc36111bd8c0c3e3412294b3f45ee?utm_source=chatgpt.com)
要するにドジャースは「1人で7回を投げ切るエース」ではなく「スター選手を入り口に据えた総力戦」のほうを選んだ、ということになります。
なぜ“シャーザーvs大谷(+継投)”という構図になるのか
第7戦はしばしば「経験値」と「今ある体力」のどちらを優先するかでチームの哲学が見えます。
ブルージェイズは初の第7戦であること、そして本拠地であることから、できるだけ序盤の混乱を避けたいという事情があります。
そこでワールドシリーズの決定戦を経験しているシャーザーを真っ先に置くのは理屈に合っています。 [oai_citation:10‡AP News](https://apnews.com/article/8faf88227dfce076aa485ba0d7ec7c30?utm_source=chatgpt.com)
一方ドジャースは、ここ数年ワールドシリーズの深いところまで進出しており、ベンチにも“大一番の空気”を知っている人間が多いので、必ずしも「ベテラン先発一本槍」でなくてもチーム全体が対応できると判断しているのでしょう。
だからこそ、調整が100%でなくても大谷のネームバリューとパフォーマンス上限値に賭け、あとは残りの投手層でカバーするという大胆な策をとれるのです。 [oai_citation:11‡MLB.com](https://www.mlb.com/news/dodgers-vs-blue-jays-world-series-game-7-starting-lineups-and-pitching-matchup?utm_source=chatgpt.com)
もうひとつ重要なのは、第6戦の投手起用の反動です。
ドジャースは第6戦を落とすとその場でシリーズ敗退でしたから、山本やグラスノーを惜しみなく使いました。 [oai_citation:12‡Reuters](https://www.reuters.com/sports/dodgers-force-game-seven-world-series-with-win-over-blue-jays-2025-11-01/?utm_source=chatgpt.com)
その結果、第7戦に回せる“完全な休養状態の先発”がほとんど残っておらず、相対的に「第4戦から中3日で戻れる大谷」が一番マシ、という逆算になったと見ることもできます。
つまり「積極的に大谷を先発に押し上げた」というより、「ここで大谷を使うのが一番チームとして形になる」という消去法に近い決定でもあるわけです。
それでもなお大谷であれば、初回から160キロ台の速球とスプリットで空振りを量産し、球場の空気ごとドジャース側に引き寄せられるポテンシャルがあります。
この“空気を動かす力”を第7戦の先頭に置けるチームは多くありません。
もし大谷が投げられない・早々に降りた場合の代替プラン
当然ながら大谷のコンディションがゲームデーに向けて後退したり、初回から球数が膨らんだりした場合、ドジャースはすぐに次のカードを切る必要があります。
ロバーツ監督は「グラスノーを連投させることも視野」と話しており、これは第6戦に続けて第7戦でも短いイニングを託す、あるいは8回・9回のいずれかに再登板させる形を意味します。 [oai_citation:13‡AP News](https://apnews.com/article/ae1fc36111bd8c0c3e3412294b3f45ee?utm_source=chatgpt.com)
さらに、シーズン中は先発だった投手を1~2イニング限定で使う“プレーオフ的な継投”も可能で、ドジャースはこの手のやり繰りに慣れています。
問題になるのは、序盤で大量失点したときのリカバリーです。
シャーザー相手に2~3点を先行される分には十分に追いつけますが、初回で4点以上を献上すると、いかに強力なドジャース打線でもロジャースセンターという球場特性上、簡単には返せません。
そのためベンチは「最悪でも2回までにスコアを1~2点以内に収める」ことを第一に考え、大谷→即スイッチ→右左で細かく刻む、という試合運びをするはずです。
このパターンは見た目としては「先発が誰か分からない」ように映りますが、実態としては“先発の名前は大谷、しかし試合設計はリリーフ主導”という構造です。
観る側としては先発の名前だけに目を奪われがちですが、第7戦の価値は「どこで誰を投入するか」というイニングマネジメントにこそあります。
まとめ:発表ベースではシャーザー、ドジャースは大谷先発案で調整中
以上を整理すると、2025年ワールドシリーズ第7戦の先発は、ブルージェイズがマックス・シャーザーでほぼ確定的、ドジャースは大谷翔平を先頭に置く形で準備しており、そこにグラスノーらの総動員継投を重ねる、という構図になります。 [oai_citation:14‡AP News](https://apnews.com/article/ae1fc36111bd8c0c3e3412294b3f45ee?utm_source=chatgpt.com)
ブルージェイズは「経験あるベテランがホームで試合を作る」という分かりやすい勝ち筋をとり、ドジャースは「スターで試合を開けて、残りは層で押し切る」という短期決戦型の勝ち筋をとった、と捉えておくと見通しが立てやすいでしょう。
あなたが「先発は結局誰なのか?」と気になっていたポイントは、このように両軍で考え方の方向が違っているために情報が分かれて見えていたにすぎません。
試合当日のコンディションやブルペンの準備状況によっては、ドジャース側だけは直前でのプラン変更もあり得ますが、少なくとも前日の段階で名前が具体的に出ているのはこの2人です。
あとは試合開始前の監督会見やラインナップ発表で、ドジャースが本当に大谷を「先発」としてカード表に書き込むかどうかが最後のチェックポイントになります。
いずれにしても、投手1人で最後まで投げ切るような試合にはならず、両軍とも4~6人の投手を使う総力戦になると見ておくのが自然です。
 
	
	
	
	
	
	
	
	
	
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